何故うちは離職者ゼロになったのか?

今日はちょっと驚いたというか、うれしくて感動したお話をします。

これ今朝なんですが、うちは今日が仕事始めでした。

うちの商品はサンドイッチやフルーツサンドなど殆どが前日製造なので、昨日作っておかないと今日売るものがありません。

しかし、スタッフには正月休みはゆっくりしてもらいたいと思い、「仕事始めの日はサンドイッチとかは無しでランチだけでいいですよ」と伝えていました。

売り上げは当然目標には達しませんし、お客様にもご迷惑がかかるというのも承知の上での経営者としての私の判断でした。

しかし、今朝お店に行きバックヤードを見てみると商品も仕込みも完璧に全部そろっていました。

私は意味がわからず「え!!??どういうこと!!??」と声に出してしまうほどでした。

スタッフが来るのを待って、「これってどうしたの!?」と聞くと、休み中にスタッフ達が出勤できるスタッフを独自で募りサッと作って帰って行ったとのことでした。

しかも、一応勝手に行動するわけにはいかないので、私に許可を得る為に何通もメールや電話をしていたそうなのですが、私は完全に休暇モードに入っていたので携帯を全く見ていなかったので気づきませんでした。

なので、とりあえず許可なく動いていることになるのでタイムカードも押さずに作って帰ったとの事でした。

もちろん出勤扱いにしますよ!!と打刻修正しました。

こんな思いやりのあるスタッフいます?

理由聞くと萩野菜ピクルスのイメージが悪くなる、お客様に申し訳ないとか言ってくれるし。

なんでこんなに感動しているかというと、私は一度スタッフの大量辞職を招いた経験があるからです。

同じこの店で。

2020年にオープンした当時はランチメニューもサンドイッチなどの製造量も今より4倍以上もありました。

スタッフの負担を考え、製造スタッフは常に6人を配置するようにしていたのですが、1年後の年末「私たち辞めます」と一気に約10人が辞めてしまったのです。

理由は「キツすぎるから」

調理や製造のオペレーションは全て私一人が考えており、私が考えられる一番簡単で手間のかからないオペレーションにしていました。

しかし、作業は単純にしていたかもしれませんが、そのメニューが20個もあれば話は別です。

彼女達は毎日20種類のメニューの仕込みと製造をやらなければならない上に、サンドイッチも作らなければならない。

ランチ時になるともう現場はめちゃくちゃです。

原因は全て私にあるので、スタッフ間で私に対する文句や陰口は日常茶飯事。

しかも私は一切現場に立たない。

そりゃ怒りのボルテージは上がりっぱなしです。

それに痺れをきらしスタッフの集団辞職を招いてしまったのです。

私は謝る事しかできず、全員に辞職の理由を聞きましたが「職場環境が最悪、大変すぎる、労働時間が長すぎる」など出るわ出るわ。

決算の時期も同じだったので、税理士さんから決算書をみてみると、製造原価が50%以上になっていました。

これには心底驚きました。

だって各メニューの原価は3割に抑えるようにしていたのに何で!?!?と意味がわかりませんでした。

考えてみると結局メニューが大量にあるということは、仕入れも比例して増加します。

しかも、在庫が切れないよう余分に発注するのでそれが原価を圧迫していたのです。

もちろん少量の破棄も毎日発生していたので、そのチリが積もったのも原因の一つです。

そこで私は改革を決意し、ランチメニューを4種類に減らし、売り切れたら終了、売上の上限を設定し利益追従はしないという経営方針をスタッフに発表しました。

そうなると、製造スタッフの必要最低人数が6人から3人に減らせる事がわかり、スタッフにもこの人数で回せますか?と聞くと多分大丈夫だと思います。との返答。

職場環境を見直したおかげで調理場スタッフは6人から3人に減らす事ができた。作業工程も激減したのでスタッフの離職がゼロに。大量辞職を経験するのは辛い…

足りなかったら増やすので言ってください、と伝えましたが今日まで数を増やす事なく続けています。

あれから3年間、社会人スタッフの離職者はゼロ。

学生は卒業があるので辞めていきますが、それ以外での離職はゼロ。

卒業まで働き続けてくれています。

こんな経験があったので、休日に自主的に出勤してくれるというスタッフの思いやりが、とんでもなく嬉しかったのです。

私は現場には立たないのですが、スタッフに口出しもしません。

ある程度の裁量も与えています。

これは好き放題勝手にやって良いと言っているわけではなくルールも決めています。

「裁量を超えそうな判断の場合は必ず事前に相談する事」

「裁量の範囲内で判断した事でも初めての事象については事後報告でいいのでメールを送る。」

「緊急時の判断について私に連絡がつかない場合は現場の判断を優先する。その事後報告は必ずする事。」

「私から指示された新しい作業のオペレーションは最初は必ずその通りにやること。しかし現場にそぐわないとスタッフ間で判断した場合は必ず報告すること」

というのを徹底しています。

あれこれ私から指示されて動くより、自分たちで判断しながら動くほうがストレスもないはずです。

しかも意思決定のルールもお互いの共通認識としてもっていれば、齟齬があった時にも冷静に話し合うことができます。

スタッフは簡単に辞めていくと心得ておいた方がいいですよ。

自分自身よりお店に対して愛着をもってくれるスタッフはいませんから。

ただ、辞めない職場環境を作る努力は経営者としてやらなきゃダメだとは思います。

それでは!

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