味噌や麹を商品にする時の問題点と解決方法

昨日、受講を検討されている方とオンライン面談を行いました。

この方はとある麹の講座を受けて麹や味噌を作る資格をもっていおられます。

今はその知識を活かし、細々と味噌や麹を作る教室を開いており、今後はマルシェへの出展や、飲食店も開きたいという目標があります。

しかし、現状では麹や味噌は作れるが、これを製品にする方法が全くわからないというのです。

味噌や麹などの酵母菌や麹菌などを製品にする時に必ずぶちあたる問題。「生きたまま体内に届けるか問題」

実はこういう理由でピクルスアカデミーを受講される方、めちゃくちゃ多いんです。

こういった方々は何かの講座を受けて、知識と実技を学び、資格はとったもののいざ製品化しようとした時にどうすればいいのかが全く分からないという状態なのです。

例えば麹や酵素系の資格を得て、商品を作りたいと考えた場合を例にしてみます。

まず、麹や酵素などの菌を活かした製品の場合一番最初に考えなければならないのが、「菌を生きたまま体内に届ける商品にするのか」という問題です。

麹菌や酵素は約60℃で失活します。

簡単にいうと死んでしまうのです。

腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌(ひよりみきん)の3種類がいると言われており、それぞれ2:1:7の割合がベストだと言われています。

日和見菌はちょっと特殊な働きをして、腸内に善玉菌の割合が増えると善玉菌の味方になり、逆に悪玉菌の割合が増えると悪玉菌の味方になり、病気にかかりやすくなります。

なので、私たちは善玉菌を増やしたいと考えるのですが、その時に必要なのが善玉菌のエサを与える事なのです。

その代表的なエサが麹菌や酵素なのです。

で、ここからが問題なのですが、この麹菌や酵素を「生きたまま体内に届けたいのか」「失活した状態でもいいから届けたいのか」という選択をしなければならないのです。

先に書いたように60℃の熱を加えると菌は失活してしまいます。

加工食品の賞味期限を長く持たせたい場合、60℃以上の加熱殺菌は必須になります。

つまり、生きたまま菌を体内に届けようとすると60℃の加熱殺菌が出来ないので、賞味期限が1週間ともたなくなってしまうのです。

では失活した麹菌や酵素は意味がないのかというと、そうではありません。

失活した菌も善玉菌のエサになり、しっかりと腸内環境を整えてくれます。

なので、この問題は製造者の価値観やブランドの方向性によって、どのような商品にしたいのかという答えが変わってくるのです。

ヤクルトなんかは「生きたままビフィズス菌が腸に届く」という宣伝文句を使いブランド化に成功しています。

最近流行っている「酵素ドレッシング」という名前をつける商品も、賞味期限を確認すると数ヶ月と表記されているものは、加熱殺菌を行っているので菌は失活している事がわかります。

しかし、酵素が入っていることは間違いなく、善玉菌のエサにはなっているので酵素ドレッシングと銘打っても嘘にはなりません。

では「生きたまま菌を届けたい&賞味期限はなるべく伸ばしたい」場合どうするのか?

一番簡単なのは10℃以下の冷蔵商品にするのです。

腐敗の原因になる微生物は温度が低ければ低いほど活動が鈍くなります。

つまり腐敗に至る期間が長引くので、冷蔵商品として製品化をするのです。

ただし、現実問題として、小売店の売上の多くは常温商品の方が圧倒的に高く、冷蔵商品はそもそも競合が多く販売スペースを確保する事が難しいです。

こういった事を考えながら受講生の希望に沿った商品化のアドバイスをしていくのですが、みなさん拘りがあるのでその調整に四苦八苦するのですが(笑)

とりあえず、何かわからないことがあったら面談をお申し込みください。

タダなので。

それでは!

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