自分の信念を貫いてかき氷屋で起業する30代女性

今回のお話しは「最後は自分の勘や直感を信じた方がいい」というものです。

今年の6月に受講されたOさんからよく進捗状況の報告を頂いており、この1ヶ月で事業の方向性と物件の決定するところまでやってきました。

そのやりとりを少し紹介します。

Oさんはまず物件の候補を3件に絞り、そのうち1件を気に入っているようでした。

その物件は元々メロンパンの店舗で、今年に入り撤退したということで、内観も外観もそのまま使えそうな店舗でした。

確かに見た目は良い物件なのですが、前経営者が撤退したということは「そこでは思った売上が立たなかった」という事です。

Oさんには一度冷静になってもらう必要があると考え以下のようなアドバイスを送りました。

本人の「勘」や「やる気」の前には私の意見なんて意味を成しません。成功する鍵は本人が成功するまで辞めないという強い心です。

物件拝見しました!

物件としては100点満点なのですが、この佇まいで前事業者が撤退したということは商品がこの地域のニーズに合わず売上が立たなかったのだと思います。

こういう場合、似たような商材で開業したらほぼ間違いなく同じ目に遭います。

似たような商材というのは、この場合菓子系の商品です。例えばシュークリームや、バームクーヘン専門店などです。

菓子系のニーズがこの場所の客層には合致しなかったという事なので、もしやるならそれ以外のニーズの別業態、例えばパン屋、ラーメン屋、おにぎり専門店、弁当屋などお腹が空いている人たちをターゲットにしたお店です。

しかし、
>周辺に同じくらいの小規模のクレープ屋、ケーキ屋、ハンバーガー屋、韓国キンパ専門店、コーヒー専門店など、新しめのお店がいくつかある
とのことですので、それらのお店の売上をリサーチしてからの判断にはなると思います。

売上がわからない場合はとりあえず来客数の調査をしてください。

Oさんの場合は夜営業はできないと思うので、どこか平日1日と休日の以下の時間帯をiphoneやカメラを固定して撮影しっぱなしにします。

10時〜12時
12時〜14時
14時〜17時

ウーバーや出前館の配達員が商品をピックアップにきたらその数も別途カウントしておいてください。

通常商店街に出店を考える際には、商店街事務局、商工会議所、市役所が通行量のデータをとっているので、それをみます。
例)摂津市の過去データ
https://www.city.settsu.osaka.jp/material/files/group/44/2tuukouryouhonnbunn.pdf

あくまでこれは参考にしかならないので、実際のデータは自分の足でとるしかありません。

うちが商店街に店を出した時には商工会議所から通行量のデータをもらい、実際に店舗前に何時間も立って平日と休日の通行量を計測しました。

大変ではありますが、事前のデータ集めは現場の実情を知る唯一の方法です。

この物件の場合は「菓子系の商材では失敗する可能性が高い」というのも貴重なデータの一部です。

あとはこの仮説が本当なのかを近隣の店舗をリサーチして、検証するしかありません。

また進捗あれば教えて下さい!

このアドバイスを送った2週間後にOさんから報告がありました。

こちらのメロンパン跡地の物件に決まりそうです!

教えて頂いた交通量調査もきちんと出来ないまま。(空き時間に行ったりしましたが毎日バラバラすぎて調査にならず、分かったことは本当に人通りがないということです)

しかし、

①角地で目立つこと

②前の道路を比較的自由に使えること(ベンチ出したり自転車とめたり行列ができたり)

③コインパーキングが目の前に多数あること

④何より駅近であること!その駅が◯◯駅から一駅であること

⑤実家から近いこと

何より④⑤が他にはなかなか出ないことから、これで決めることにしました。

家賃は交渉の末、145000円まで下げてもらい、フリーレント2ヶ月つけてもらいました。

仮契約中で、昨日内装屋さんとあらためて下見・採寸に行き、内装の見積もりを待っています。

設備の見積もりがでたら、それをもって金融公庫と銀行に行こうとアポとっています。

そして、肝心の商品ですが!

人通りが無さすぎるので、ターゲットをかえて、SNS集客できるものを探していました。

天然氷のかき氷をメインにします!

ここの地域では(全国的にも?)かき氷が大ブームで、1500円前後の高価格帯のかき氷が軒並み行列です。

キッチンカーでもいずれはかき氷もやりたいなと数軒まわっていたところ、天然氷が◯◯には現在3店舗しかないことがわかりました。
原因は

①◯◯から冷凍発送のため送料が西日本では高すぎる

②そもそも天然氷の供給が追いつかず、販売の枠が少ないこと
ですが、②は知人のツテで販売してもらえる枠が確保できそうです。

①も検討中ですが、近くの倉庫に大型の冷凍庫を置いて、宅配チャーター便で大量配送してもらい送料を抑えることでなんとかなりそうです。

ゴーラーは僻地でも、全国から調べてくるそうです。

天然氷の暖簾を分けてもらいSNS集客して、サンドイッチなどの日配品も売ろうと思います。

プラス、駅の反対側にある映えかき氷屋がいつも並んでて、徒歩5分ほどなので、取りこぼし客も来るのでは?と思ってます。

店舗が真ん中で分かれている特殊な形なので、半分はテイクアウト窓口と厨房のみ、あと半分はイートインスペースにする予定です。

テイクアウトでドリンクとサンドイッチ、イートインでかき氷をメインにこだわったコーヒーと軽食、売り上げが伸びなければ金土だけ夜カフェ営業で少しお酒も出したいなと思っています。

もろもろ最速でいけても10月末オープンくらいです。

近所にあった繁盛していた惣菜屋さんが高齢のため閉店されたので、揚げ物お惣菜系もやれたら売り上げ確保できるかもしれません。

色々手を広げすぎて何屋か分からなくなりそうですが、とりあえず可能性を残しつつ絞っていきたいなと思っています。

店舗でいっぱいいっぱいになっていますので、キッチンカーは、いったん様子見です。

店舗がうまくいけば来夏からかき氷キッチンカー参戦したいなと思ってます。

すごい文量の報告じゃないですか?

私が思うに起業に一番必要なのはこの「熱量」だと思うんです。

以下私の返事です。

詳細ありがとうございました!

かき氷にされるんですね!

送って頂いた内容を拝見する限り、今考えられるMAXまで考えられているようにお見受けするのでそのまま突っ走って大丈夫だと思います。

僕が以前送ったリサーチについてのアドバイスですが、実はいくらリサーチを重ねても失敗する可能性が減るくらいで、成功する確率が高まるわけではありません。

結局は経営者の「勘と直感」や「やる気」が成功に近づく唯一の方法だと思っています。

あそこまで長文で書けるという事は、あの文量の倍以上はこの事業について考えているはずなので、その結果のOさんの判断であれば僕からは特に何も言うことはありません。
(※見捨てているわけではありません!意見を尊重するという意味です)

一個だけ聞きたいのが、かき氷は夏限定ですか?
一年中かき氷屋さんになる感じですか?

Oさん

かき氷を年中にするかどうかは悩んでいます。

調査したかき氷専門店は一年中やっているところも多く、冬もお客さんは来るようですが、うちはまだ専門店にするところまでいっていないので様子見ながらにしようかと、、

とりあえずは11月頃開店でシーズンオフなので純氷で練習も兼ねて細々と初めて、本格的に天然氷にして宣伝するのは4月頃からでいいかなと思っています。

店舗の外観が、完全に別の2店舗に見えるので、googleにも2店舗分の屋号を出そうかなと思います。

サンドイッチ&惣菜、カフェ&バーという形にすれば検索にも引っかかりやすいのかな?と想像してます。

私の返信

そうなんですね。

そういった考えであれば全然それでいいと思いますよ!

当然ですが、シーズン商材は季節外になると売上が激減するので練習と知名度アップの為と割り切るのであれば問題ないと思います。

他には暖かいかき氷として提供するのもいいかもしれません。

【参考】

https://www.atpress.ne.jp/news/149895

https://rurubu.jp/andmore/article/17163

https://www.favy.jp/topics/28136

ものはやりようですから、固定概念にとらわれず色々トライして検証してみてください!

これが冒頭で申し上げた「最後は自分の勘や直感を信じた方がいい」という理由です。

事業が成功するかどうかは、本人が成功するまで辞めない、という強い心が必要になります。

Oさんからはそれを非常に強く感じたので多分大丈夫だと思います。

仮にかき氷がうまくいかなかったしたとしても、他の商材で再起を図ると思います。

それでは!

卒業生の実績、受講生の感想など


※以下事例で紹介している方は全て2ヶ月フォロープログラムを受講された方です

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