キッチンカーにする必要がある人とない人

さきほど面談をおこなった方にアドバイスをしたなかで、皆さんにも情報共有した方がいい内容があったのでお伝えします。

この方は自宅の納屋を改築して加工場にするか、キッチンカーを作って事業をするかを悩んでおられました。

話を聞く限り、自宅の納屋を改築する資金も十分あって、すぐに取り掛かれそうな状態でした。

私の講座ではとにかくスモールスタートで始める事を基本に考えるので、これから起業する方に向けては

①レンタルキッチンや6次産業化支援施設(公共の施設)を借りて製造する

②空きテナントを借りる

③工場を建てる

の順番で事業を拡大する事を勧めます。

①については、製造場所を1時間単位で借りるだけなので初期費用が必要なく加工品製造をする事ができます。

②は①で作ったものをマルシェなどで販売をして、商売の感覚を掴んだ次のステップです。しかし、家賃という毎月のランニングコストが発生するのでそのリスクを負わなければなりません。

③は初期投資が一番かかるが、家賃が発生しないので一番理想的です。

今回の面談者の方は最初から③を考慮に入れていたので、「あなたの場合は自宅を改装してスタートした方がいいですよ」とお伝えしました。

そこで、追加で相談されたのが「外でも販売したいのでキッチンカーを持った方がいいのでしょうか?」という質問です。

「キッチンカーで何を売りたいんですか?」と聞くと、「サンドイッチだったり、フルーツサンドだったりです。」という答えが返ってきました。

「だったらキッチンカー要らなくないですか?」とお話しすると「なんでですか?」と聞かれたので、皆さんも知らない方がいらっしゃると思いますのでお話しします。

許可が必要なのは「販売」ではなく「製造」についてです。
※酒類など例外は除く

製造許可を取得した加工場で作ったものを販売することには許可は必要ないんです。

キッチンカーで許可が必要になるのは、キッチンカー内で調理をするからです。

取得する営業許可は「飲食店営業許可」です。

かつ、キッチンカーは調理工程の数によって給水設備を備えなければなりません

給水タンクの種類は現在3種類が定められています。

40L…提供メニューは1種類。調理は1工程

80L…提供メニューは数種類OK。調理は約2工程

200L…提供メニューは数種類OK。調理は複数工程。仕込みもOK(※NGの自治体もあり)

ここでいう工程とは食材をカットする、煮る、焼くなど全て1工程とカウントされます。

で、40L、80Lに至っては別途仕込み用の加工場を用意する必要があります。

今回の面談者さんの場合、「キッチンカーでサンドイッチを作って売る&加工品も作って卸したい」のであれば、自宅の納屋を加工場に改装して、そこで作ったものを車で運んで売ればいいのです。

別にわざわざキッチンカーを用意して販売する必要はないのです。

キッチンカーが必要になるのは、キッチンカーで1工程でも調理をする場合のみです。

届出は保健所の検査がないので届出書を提出したらすぐに取得できます。

なので今回の面談者さんには、「納屋を加工場にして移動販売したらいいだけですよ」というアドバイスをしました。

「そんなこと全く知らなかった…無駄なお金使うところでした」と愕然としていたので、これは皆さんにも伝えた方がいいなと思い、書かせて頂きました。

それでは!
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