萩野菜ピクルスは山口県にあるピクルス専門店です。
2014年からピクルスを作り始め、今は80席あるカフェを運営をしています。
簡単に萩野菜ピクルスの簡単な沿革をご紹介しておきます。
- 2013年/野菜卸売業として個人事業主で起業
- 2014年/法人化、ピクルス製造開始、10坪のお店兼加工場設立
- 2016年/社会貢献部門でグッドデザイン賞受賞
- 2017年/10席のカフェをOPNE
- 2018年/ピクルスアカデミー開始
- 2020年/新店舗設立
- 2024年/ピクルスアカデミー上級編開始
起業当初は1人でしたが、現在は30名を超えるスタッフを抱え事業を運営しています。
何故加工品を始めたのか?
起業を志した理由は地元野菜をどうにか有名にできないか?という動機でした。
私自身農業に携わった経験が全くなかったので、まずは畑を借り野菜ことから始めました。
しかし3000株植えた白菜が500株しか出来ず、農業自体が自分に向いていないという事を痛感し、次に地元農家から野菜を集めて販売するという事業を始めます。
しかし、仕入れた野菜を売るだけなので当然利益率は低く、量を捌かなければ事業が成り立たない状態でした。
そんな事を1年続けていた時に、取引農家から「穴が空いたパプリカをどうにかして売ってもらえないか?」という相談を受けます。
これが加工品製造のきっかけになったのです。
加工品の利益率
穴があいたパプリカを生で売る訳にはいかないので、素人でも簡単に作れそうという理由だけでピクルスにする事に決めたのですが、加工品のノウハウはゼロ。
作り方やレシピは探せばわかるものの、商品化の仕方はどこにも書いていない。
結局1年かかって商品化に成功するのですが、この経験がピクルスアカデミーの礎となりました。
そしてやっと完成したピクルスを試しに道の駅で販売をしたのですが、その利益率に驚愕しました。
これはある時期の野菜の卸売とピクルスの卸売の粗利を比較したものですが、利益率が倍以上違ったのです。
それもそのはず、野菜は市場価格があり値段もそれに合わせなければ売れません。
しかしピクルスは自分で自由に値段が決める事ができ、魅せ方やデザインなどいくらでも差別化する事ができる。
いくら規格外の安い野菜を使用しているからといっても、瓶などに入れ高級感のある商品にしてしまえば50円の野菜でも1000円で販売する事が出来るのです。
つまり、加工という一手間を加える事で原材料に新たな価値を付加できるのです。
この一手間の価値を私が500円だと思えば500円にしたら良いし、1000円だと思えば1000円にして良いのです。
これは野菜の卸売をしていた当時の自分からしたら天地がひっくり返るくらいの衝撃でした。
価格を自由に決めて良い、それは自分が作っている商品だからです。
農業では失敗しましたが、図らずも今度は加工品の生産者側になった訳ですが、この様に自分でも加工品を作ってみたいというニーズが多数ある事を知りました。
それは、萩野菜ピクルスのHPではレシピを公開しているのですが、その為か「作り方を教えて欲しい」という問い合わせが頻繁に届いていたのです。
アクセスを集める為にレシピを公開することも悩みに悩んだ挙句の決断だったのに、製造ノウハウなんて自社の財産そのものを開示できる訳がありません。
しかし、自分自身がピクルス作りに取り組み始めた時の、あの「何をどうしたらいいかさっぱりわからない」という途方に暮れそうな悩みは痛いほどよく分かっていました。
なので、「教えるがしっかり料金は頂く」という一念の元、2018年12月にピクルスアカデミーを開催致しました。
「料金を頂くのであれば、知っていることは全部教える、公開する」
そう心に決めて講座を組み立てていきました。
あれから6年。
これまで600人以上にノウハウを講義し続けてきました。
全国で受講生の方がそれぞれの地で加工品製造に取り組まれています。
受講生の中にはANAの商品に採用されたり、有名芸能人の飲食店の商品開発をするようになったり、テレビに出演するようになったり、受講をきっかけにそれぞれの事業に活かしておられます。
中には「受講して人生が変わった!」とおっしゃってくれる方もいます。
有難い限りです。
その間、私自身もピクルスだけでなく様々な加工品製造の知見やノウハウが貯まってきました。
それを活かし、2024年12月に新たに上級編講座を開始致します。
この知識を得て、皆様がもっと自由に気軽に加工品製造に取り組んでいただく事を願っています。
萩野菜ピクルス代表 椋木章雄