「飲食店営業許可」が必要ないお店とは?

先日の東京講座を受講された13期生のHさんは、地域おこし協力隊の活動をしながら、酵素風呂とサウナの施設を立てて運営をしています。


【Hさんの酵素風呂とサウナの施設】

Hさんは自力でスポンサーを集め、資金を調達し、補助金や助成金が欲しいと思ったら必要な情報はその都度かき集め応募し、どんどんと自分のやりたい事を実現していくタイプの女性です。

年齢を聞いたら私より年下。。。

すごいな、の一言です。

Hさんは2ヶ月支援プログラムに申し込まれた方なので、講座終了後に面談を行い今後のスケジュールを確認しました。

その時に、「椋木さんの話を聞いて事業の進め方を変えようと思いました。」と第一声で言われ、詳しく聞くと「飲食店営業許可」は取らない、もしくは取得する優先順位を下げると言うのです。

まず、大前提の知識として、飲食物を提供するお店を開業する場合必ず必要になる許可が「飲食店営業許可」です。

カフェであれ、ラーメン屋であれ、定食屋であれ、お客様に食事を提供する場合は「飲食店営業許可」が必須で、これを開業前に保健所に申請をして取得をしなければなりません。

飲食店営業許可は基本的には何を作ってもOKです。

ただし、「その場でお客様に提供するもののみ。」という制限がかかっています。

Hさんの酵素風呂の施設では現在飲食できる休憩所があり、そこで食事を提供しようと考えておられました。

しかし、飲食店営業許可を取得するためには様々な設備を設置しなければならず、当然その分の費用がかかります。

Hさんはそれもやむなし、と考えて取得する前提で講座を受けていたのですが、私が講座中の話の中で萩野菜ピクルスが当初どのように飲食物を提供していたか?という話を聞いて考えを変えたそうなのです。

萩野菜ピクルスは起業当初の小さい工場ではサンドイッチを作っていました。

サンドイッチの製造に必要な営業許可は「惣菜製造業」です。


【起業当初の萩野菜ピクルスの店舗。飲食店営業許可は取っていませんでした。】

「惣菜製造業」は惣菜を作るための許可なので、飲食店の様に提供する事はできません。

しかし、ある方法を使えば提供する事ができます。

それが「イートインコーナー」として利用してもらう方法です。

「飲食店」と「イートインコーナー」の境界線は、「食品を提供する時に店員が食べれる状態でお客様に渡すかどうか」が大まかなラインとなっています。

例えばお店でペットボトルのコーラを販売しているとします。

お客様がペットボトルをレジに持って行き会計を済ませ、イートインコーナでお客様が開封して飲む。これは飲食店営業許可は必要ありません。

逆に、店員がペットボトルの蓋を開封してコップに注いでしまうと「飲食店営業許可」が必要になります。

お客様に提供する時に、「封を開ける」や「注ぐ」など何か1工程でも行ってしまうと「飲食店営業許可」が必要になってしまうのです。

萩野菜ピクルスの場合、サンドイッチの人気が出始めた時「ここで食べたい」「飲み物がのみたい」と言われ始めたのでどうしたかと言うと、ポットにコーヒーや紅茶を用意してつくり、そこに紙コップを用意してお客様自身に飲み物を注いでもらう「イートインコーナー」を設けたのです。

これであれば、特に新たな設備投資をせずにお客様に飲食を提供する事ができるのです。

ショーケースにはサンドイッチが並んでいるので、お店で食べたいというお客様にはお皿とサンドイッチだけ渡して、イートインコーナーへ案内していました。

その後、店舗が手狭になっていったので、きちんとカフェを作ろうと考え事業を拡大していったのです。

【こんな狭い店舗なのにここで食べたいという方がいらっしゃったのでベンチを置いてイートインコーナーに。】

この話を聞いたHさんは「これだ!」と思ったらしく、新たに投資をしてカフェを併設するのではなく、イートインで対応できる規模でスタートして、軌道にのったらカフェを併設しよう、と決めたのです。

この様に法律や理屈さえ理解しておけば、手段や方法の選択肢が増えるのです。

無理に100%全部を完全な状態でスタートさせるのではなく、今できる範囲の中でいかに自分の理想に近づけるかが重要です。

以下Hさんの感想です。

———————-
本日はありがとうございました!

【受講して良かったこと】
飲食店などの経験もないので、基礎の「き」もわからなかったので、材料をどこで買うのか、なぜこれがいいのかなど、細かく教えてもらえたので、なるほどやこれなら自分にも出来ると思えました!

【授業内容で驚いたこと】
こんなに教えていいのか…と思う位の内容でした。

経験談を含め失敗例も成功例も教えて頂けたので、知る事の大事さや無知の怖さを教えてもらえました。

【講座内容は満足できるものだったか】

十分過ぎる内容に大満足です。

ここまでの内容を自分で探して実戦する事を考えると、時間とお金がとんでもなくかかります。

それくらいの授業内容でした。

何もわからない中、加工品をこれから挑戦する事への不安や心配がなくなり、「難しく考えなくてもいいんだ」と思えた事。

いい意味で加工品のハードルを下げてもらえました笑

とにかくあっという間の二日間で好奇心やワクワクが止まらなかったです

講座を終了するときには自分が作って販売するイメージや導線も出来ました笑

何事も突っ走るとろこがあるのですが、今日教わった事を復習しながら着実に進めていこうかと思います!
今後とも宜しくお願いいたします🙇‍♀️

———————-

本日は以上です!

それでは!

※以下事例で紹介している方は全て2ヶ月フォロープログラムを受講された方です

関連記事

初めて受講生に「起業した方が良い!」と言った話

事業再建に成功した卒業生

ギフト商品で単価を上げる

大量食中毒を起こした「マフィン」の原因

受講生で成功する人は質問が多い

創業時の資金調達の仕方

工場のリフォーム代を500万から250万に抑えた受講生

デザインセンスや技術は仕事にしないと覚えない

PAGE TOP