賞味期限と消費期限の違い
社会人向け加工食品専門学校ピクルスアカデミー
みなさん、「賞味期限」って聞いたことがあると思います。
合わせて最近は「消費期限」という名前も聞くことがあると思います。
この2つの違いは何だと思いますか?
消費者庁のガイドラインにはこのように書かれています。
おいしく食べることができる期限。この期間を過ぎてもすぐに食べられないということではない。
対象の食品スナック菓子、カップ麺、缶詰等
期限を過ぎたら食べない方が良い期限。
弁当、サンドイッチ、生めん等
噛み砕いて言うと、品質の劣化が遅い方が「賞味期限」、品質の劣化が早い方が「消費期限」と言うことです。
食品表示ラベルに賞味期限と消費期限を間違えて記載したとしてもすぐに行政指導が入るような事はありませんが、一応意味としては頭に入れておいた方がいいですね。
うちの講座で学ぶ加工品の殆どはこの「賞味期限」に該当するものになります。
世間一般の認識として3ヶ月以上はもつような食品の作り方を教えている講座になります。
賞味期限表記されている商品は、そもそも賞味期限が長いのでその期限を過ぎてもすぐに食べられなくなる、というものではないのです。
実際に検査を出して合格ラインの出た日数に安全係数を加えて賞味期限を算出しているので、だいぶ余裕がある期限日を表記しているからです。
では、根本として食品はどのようにしたら長期期間品質の劣化が抑えられるのでしょうか?
というか、品質の劣化って何ですか?
品質が劣化したらどうなるんですかね?
私たち加工品業者の「品質の劣化」の認識とは「腐敗」のことを指します。

食品が「腐敗」を起こす原因は主に微生物です。
この微生物が食品中で増殖し、成分が分解されたり、毒素を吐いたりして腐敗が起こります。
それを口にすることで食中毒になるのです。
去年起きた手作りマフィンの大食中毒事故はこれが原因です。
つまり加工食品を作ると言う事は、この微生物との戦いなのです。
微生物は基本的に「熱」でしか死滅しません。
この「熱」を利用した殺菌方法が、皆さんがよく知る「煮沸殺菌」になります。
ではネットや本などに載っているジャムをレシピ通りに作って、瓶詰めをして煮沸殺菌をするとします。
そのジャムは安全でしょうか?
答えは「たぶん安全」です。
おそらくそれを1ヶ月後に口にしても問題はないでしょう。
もしかしたら2ヶ月後も大丈夫かもしれません。
しかし、それを商品として販売するとなると話は別です。
というか次元が違いすぎて話になりません。
人が口にする食品の安全性に「多分」も「恐らく」もないのです。
100%安全じゃないとダメなのです。
食品の煮沸殺菌の時間と温度は主に水素イオン濃度(pH)と水分活性(Aw)を基準に定められています。
pHは簡単に言うと酸度です。
Awは食品中に占める自由水(水分)の割合です。
さっきのジャムを例に言うと、多分大丈夫というのは煮沸殺菌で加熱をしたのだから細菌はいくらか死滅したんだと思います。
しかし、細菌は増殖するのです。
100匹いた菌が10匹に減っても時間が経てば100匹に戻り、1000匹、10000匹と倍々で増えていきます。
そして腐敗が起こるのです。
じゃあ煮沸しても意味ないじゃないか!と思うかもしれませんが、それは半分正解です。
煮沸だけでは意味がないのです。
つまり、煮沸で菌を減らしそれ以上増やさないようにする為にpHやAwを調整するのです。
pHであればめちゃくちゃ酸度の強い酢漬けにしたり、Awであれば砂糖漬けや塩漬けにして自由水の割合を減らすのです。
そうする事で微生物の動きは抑制され、増殖ができず腐敗が防がれるのです。
これが「賞味期限」と表記されている食品として世に出ているのです。
うちの講座ではこのpHとAwの数値を元に煮沸時間と温度を示し、安心安全な食品作りをどんな人でも出来るように教えています。
もちろん家庭用調理器具だけで出来ます。
以前の講座で賞味期限と消費期限の違いを教えて欲しいと言う質問があったので、ここに答えを共有させて頂きました。
それでは!
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