農家人脈ゼロからの野菜の調達の仕方

社会人向け加工食品専門学校ピクルスアカデミー

萩野菜ピクルスの様に地元の野菜を原材料として使用したい場合は、どうしても現地で調達をするしか方法がありません。

今回は実際に私がどの様な手段を使って地元の野菜を調達していたかを紹介いたします。

まずは起業したての1年目は地元農家から直接仕入れさせてもらう方法で十分だと思います。

理由は、まだ販路もそんなに拡大してないでしょうし、発注もバンバンくるような状態ではないので、必要な時に必要な分量だけ仕入れる程度で十分だからです。

では、どうやって農家と知り合えばいいのか?

実はこの質問は結構おおいのですが、農家の知り合いがゼロの人でも出来る調達方法があります。

まず一つ目は、地元野菜を販売している産直市場に行くことです。

地元にある産直は農家さんの宝庫です。ここを利用しない手はありません。

農家さんと繋がりゼロでも20人くらいは余裕で見つかります。

みなさんも一度は行ったことあると思いますが、地元の産直市場で販売している農作物には生産者の名前付きのバーコードが貼ってあります。

この生産者の名前を記載する仕組みは、農作物を通じて生産者のファンを作ってもらうという理念が始まりです。

「◯◯さんの大根が美味しかったから、次も同じ農家さんの大根買おう」という様に指名買いを促すしくみとして、ほぼ全国の産直で取り入れられています。

余談ですが、産直に行くと農作物や手作りのジャムなどの加工品にバーコードが貼られていますよね?

あれは産直が直接発行しているバーコードで、生産者の方にそれぞれ発行されているものなのです。

通常、商品を小売店に下す場合は独自のバーコードを持っていないと取引をしてもらえないのですが、こういった産直に出すかたは個人の方がほとんどでバーコードを持っていない方が大半なので、産直が生産者ごとにバーコードを発行し、それを商品にはってもらっているのです。

それをレジで読み取り、◯◯さんの野菜が何個売れた、という集計をとっているんです。

で、それには大体生産者の名前が記載されているので、その農家さんを探し直接交渉をする、というのが一番簡単で確実な調達先の見つけ方です。

一昔前は産直の担当者に聞けば、農家さんの名前も住所も教えてくれたのですが今はそうはいきません。

そういった場合は、朝に納品にくる農家さんに直接交渉をするのです。

農家さんは必ず開店前に商品を並べる必要があるので、その出待ちをするのです。

この野菜が美味しいから是非うちの商品に使わせて欲しい、と直接お願いをするのです。

もちろん、こんな事を産直に無許可でやってしまうと出禁を食らってしまうので、きちんと許可は得た上でやります。

これをやる場合は必ず施設の許可を取る事。起業一年目はこの増やし方でOK。

私は起業当初、これで大量の農家さんと繋がりを持つ事が出来ました。

また、この産直というシステムはとても便利で、急遽地元の野菜が必要になった!という場合も、産直で直接買ってしまえばいいのです。

私たちは地元野菜を使用する、という制限だけ守ればよいので、農家さんまで無理に指定する必要はありません。

これが一番手っ取り早く、確実に農家さんとの繋がりをもつ方法だと言えます。

次の方法は、安定的に量が必要になってきた場合の調達の仕方です。

この場合は、市場から直接仕入れるのが確実なのですが、一般の業者が市場から直接仕入れることはほぼ不可能です。

市場に入るには「買参権」という権利を取得する必要があります。

この「買参権」をもっている人たちが俗に言う「競り」を行うので、そこで現地の市場価格が決まるのです。

「買参権」がないと入れない市場。これがあると競りに参加出来るが、取得することはほぼ不可能なので、仲卸業者から仕入れます。

そんな聖域に一般人が入れるわけがないので、私たちはどうするかというと仲卸業者から卸してもらうのです。

仲卸業者とは、市場の中に店(小間)をもっている業者で、みなさんの身近な存在で言うと、地元の八百屋さんなどがそうです。

老舗の八百屋だと「買参権」をもって直接競りをしている所もあり、そういった昔からあるような八百屋は地元青果部会の会長だったりする事がほとんどです。

そこから直で卸してもらえると、ひじょ〜に楽です。

例えば大量のジャムの発注が来たとしても「来週までに10キロの萩産のいちごお願いできますか?」と依頼をだしておけば、確実に手に入ります。

自分で農家さん一軒一軒に用意できるか確認をして、集荷に行く必要もなくなるので、値段は多少は高くつきますが手間はめちゃくちゃ楽になります。

流通業者ってこの手間賃を商売にしているんだな、と痛感する瞬間でもあります。

で、ここからは私のケースの話ですが「萩野菜ピクルスは季節外は国産野菜で代用します。その代わり、1年中同じ商品が提供できます。」とバイヤーに伝えた上で取引をしていました。

つまり、萩で野菜が収穫できる時以外は国産野菜を使うので、冬の時期はほとんど市場に発注しまくっていました。

これが萩野菜ピクルスの収益が1年中安定していた大きな要因の一つです。

台風や災害、不作などで地元野菜が不足した場合、すぐに国産野菜に切り替える事が出来たので、原材料の調達に悩まされた事がありませんでした。

絶対にやってはいけないのが産地偽装なので、萩野菜ピクルスの食品表示には一年中を通して「季節外は国産野菜に切り替えます」という一文を入れていました。

なので国産に切り替えた時は、原産国も「国産」と表記をきちんと変えていたので、苦情もクレームも一件も来た事がありません。

原産国縛りは自社のブランドの価値を上げる武器にもなりますが、一方で安定供給が出来ない可能性も秘めている諸刃の刃です。

私はどちらも良いとこ取りをしたかったので、この様な方法を編み出し交渉の席についていました。

なので、一年中萩市産の野菜じゃないとダメだ、という所とは取引をしませんでした。

まとめると、

・起業一年目は産直で農家を見つける
・足りない分は産直で直接買う
・発注量が多くなってきたら地元八百屋から仕入れる
・買参権を取得してしまう

という順序で良いと思います。

私の場合、最後は「買参権」を取得して競りで直接落札していました(笑)

なので人に言えないくらい、とんでもない原価で製造していたんですよ。

それでは!

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