加工食品は水分活性(Aw)を調整しないと作れない
社会人向け加工食品専門学校ピクルスアカデミー
昨日に続き、先日の山口講座に参加された受講生の紹介です。
関西からお越しいただいたKさんは農園を営んでおり、ヒアリングシートの動機にはこのように綴られています。
菓子製造、飲食店営業許可は取得済みですが、贈答にできるような高単価の商品開発をして、さらに付加価値をつけたい、そのために加工品製造の知識、技術を短期間で習得したい。
私も一瞬ではありますが、農業を営んでいた時期があり、やはり生のまま売るのでは利益的にも限界があり加工品に挑戦したいというのは自然な思考プロセスだと思います。
まずはKさんの感想をご覧ください。
この後の上級編での水分活性(Aw)について、早く学びたいです!
よろしくお願いします。
【受講してよかったこと】
①目の前でピクルス、サンドイッチを作るところを見ることができたこと
②水分活性のこと、加熱殺菌について、他の加工品製造にも役立つ知識が得られたこと
③自分でこれまで迷い、手探りだった食品表示に関する質問に的確に答えてもらえたこと
④商品のラインナップ、価格設定など、ギフト価格に設定して考えるということ、商品はとにかく目立たせることが大事ということ
などが学べたことがよかった。
【授業内容で驚いた事】
午前のピクルス実演では、ピクルスがあまりに簡単にできてしまうことに驚き、商品としての見せ方、売り方に感動。
午後のサンド実演では、ダレないクリームのホイップ加減やサンドを作ってカット、包装する手際の良さに圧巻。
自分でフルーツサンドを作って販売していたが、作り方も手探り、包装も自己流。
さらに一人で作れる数には限界があり、しかも原価が高くついていたので、コスパ、タイパが悪く、売り上げても、労働の対価があまり得られている感がなかった。
今後に活かしていきたい。
【講座内容は満足できるものだったか、それはどこですか?】
オンラインで一日、対面の実演が一日と、時短で非常に効率よく加工品の商品化について学べたことに大満足。
レシピだけではわからない、ちょっとしたコツや加減、手の抜き方など、目の前で実演を見ることで自分では気づけないことを知ることができた。
まさに、百聞は一見にしかずだった。
とにかく効率が大事。
趣味ではなく、商売、ビジネスとしてこれから加工品を製造販売していく上で、売上目標設定、販売戦略を考え、安全性を担保しながら、効率よく製造していく。
無駄なことはしない。
しっかり頭に叩き込みました!
今回山口講座を受講された全員が上級編をお申し込みされていました。
Kさんの感想に書いてある水分活性(Aw)というのが上級編の肝になる部分です。
初級編で学べるのは水素イオン濃度(pH)を利用したピクルスのみ。
pH(ペーハー)とは分かりやすく言うと「酸度」のようなものです。
つまり食品を酸っぱくして長持ちさせる製造方法です。
食品衛生法で、食品の保存性を高めるための加熱殺菌の時間と温度が定められているのですが、まず基本となるのがこの「pH」です。
なぜpHを真っ先にみるのかというと、酸度の数値が微生物に最も影響を与えやすいからです。
例えば胃酸なんかは空腹時にはpH1というとんでもなく強い酸性になり、強力な殺菌作用で体内への病原体の侵入を防いでいます。
ここで簡単にpHの数値について説明しておきます。
胃酸(pH1~3)、レモン汁(pH2~3)、酢(pH3程度)
・pH7:中性
酸性でもアルカリ性でもない状態。純粋な水など
・pH7超(pH14に近いほど):アルカリ性
石鹸水(pH9~10)、重曹水(pH8~9)、漂白剤(pH12~13)
私の講座ではピクルス液を作る時のpH値、ピクルスが完成した時のpH値を厳密に分けて提示しています。
ピクルス液のpHは野菜の水分で必ず薄まるので、それを見越した上で作る必要があるからです。
と、ここまでは初級編のお話で、これだと酸っぱい加工食品しか作る事ができません。
そこで出てくるのが水分活性(Aw)という指標です。

上級編ではAwが肝になる。世の中の加工食品の殆どがAwを調整して作られている。ドレッシング、オイル漬け、ジャム…etc。全て数値化できるので逆に安心材料になる
水分活性とは「微生物が利用できる水分(自由水)が、食品の中にどれだけあるか」を示しています。
微生物は自由水の中でしか増殖できません。
このAwという数値はpHとは全く関係のない指標なので、食品を酸っぱくする必要がないのです。
例えばジャムやドレッシング、オイル漬けや佃煮など世の中の常温で長期保存できる食品は殆どがこのAwを利用した製造方法で作られています。
これを教えているのが上級編講座になるのです。
今年の頭に上級編講座を開設してから、ほとんどの方が上級編講座を受講されるようになりましたが、毎日のように新商品が完成しました!という連絡を頂くようになりました。
ありがたいことです。
みなさんも何か商品が作りたいけど、何をどうしたらいいかさっぱり分からん!という時はまずは受講を検討されてみてください!
それでは!

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