元保育士の情熱が育む岡山バナナ/ 難題を解決した上級編講座
社会人向け加工食品専門学校ピクルスアカデミー
元保育士で現在は岡山でバナナやトロピカルフルーツの栽培・加工業を営む斎藤千恵子さん。

2022年の5月というコロナ禍真っ只中に受講されました。おかやまおひさまファーム(株)代表/斎藤千恵子さん
日本では珍しい国産バナナの栽培事業を一から立ち上げ、農業と障害者支援を結びつける独自のビジネスを展開されています。
順風満帆に見えるその道のりですが、加工業への参入時にはロットの問題や専門知識の壁に直面したと言います。
本日は、いかにしてその困難を乗り越え、事業を拡大させてきたのかお話を伺いました。
斎藤さん、今日はお時間をいただきありがとうございます。
ちょっと確認したいのですが、斎藤さんは「岡山バナナ」をされているんですよね。

農業未経験者の元保育士が一人で立ち上げた「おかやまバナナ」
以前、岡山で別のバナナ農園が話題になりましたが、あちら※1とは関係はないんですか?
※1)2025年3月に岡山にある国産バナナ栽培「もんげーばなな(岡山ばなな)」の株式会社D&Tファームが経営破綻
【斎藤さん】
よく言われるんですけど、全然関係ないんです(笑)
私は10年ほど前から農業を始めて、今はバナナのほかにコーヒー、マンゴー、パパイヤ、レモンなどを育てています。
【椋木】
そうなんですね。ニュースを見た時びっくりして(汗)
【斎藤さん】
あちらの会社もうちの近くにあり、岡山の人ですら間違えますからしょうがないです(笑)
昨日も「潰れたんじゃないの?」と言われました(笑)

完全無農薬の岡山バナナ。皮ごと食べられる。一本600円という超高価格帯。桃やブドウはライバルが多すぎるのでバナナを選定。

ハウス栽培なので一年中収穫できるという、とんでもない商材。一本600円なので一房6万円以上。これが毎日集荷できる。
【椋木】
斎藤さんが岡山でバナナをはじめとするトロピカルフルーツの栽培を始められたのは、本当にユニークな取り組みだと思います。
農業事業を立ち上げた後、加工品にも目を向けられたきっかけは何だったのでしょうか?
【斎藤さん】
農業を始めて約10年になりますが、当初はバナナ、コーヒー、マンゴー、パパイヤ、レモンなどを色々と作っていました。
ですが、予想通り作物が全て売れるわけではありません。
規格外のものが残ってしまい、捨てるのはもったいない。
そこで、最初はジャムにして加工品を作っているところに卸すことを考えたんです。
【椋木】
それが、加工場を作るきっかけになったと。
【斎藤さん】
はい。
ただ、いざジャムのOEM生産を依頼するとロットが1,000個からと言われてしまって。
「1,000個もどこに置くんだろう、賞味期限が来たらどうしよう」と。
結局作ったものの、あまり売れずに自分で食べたり、配ったりする状態でした。
これではいけないと、それなら自分で加工場を作ってしまおうと考えたんです。
◆独学の限界感じた殺菌方法
【椋木】
なるほど。
しかし、加工品の製造には専門的な知識が必要ですよね。
どのように学ばれたのですか?
【斎藤さん】
それが一番の悩みで。
作り方を誰に聞けばいいのか、どこで勉強できるのかが全く分からなかったんです。
知り合いに聞いても、糖度がどのくらいか、このくらい加熱殺菌したらいいと思うよー、といった表面的なことは教えてくれても、本当の核心的な部分は誰も教えてくれない。
どこかそういった事を一から教えてくれる所はないかと探していた時に、たまたまインスタでピクルスアカデミーを見つけて、「これだ!!」と思いすぐに申し込みました。
【椋木】
実際に講座を受講されてみて、特に役に立った点はどんなところでしたか?
【斎藤さん】
もう、知らないことばかりでしたから、とても助けられました。
一番役に立ったのは、殺菌方法や、商品を販売する上で必須となる検査の必要性、ラベル表示、そして衛生管理、何か問題をおこしてしまった場合でも大丈夫なように保険に入ることといった、基本的な知識です。
最初は「道の駅で農家のおばちゃんが漬物を出すぐらいの感覚」で加工品を作ってしまっていたので、これらの基本的なルールを初心者でもしっかり学べたのは大きかったです。
◆試作で「ギフトショー大賞」を受賞!加速するビジネス
【椋木】
その後、試作品のクラフトコーラがギフトショーで大賞を受賞されたそうですね。
【斎藤さん】
そうなんです。
試作で出品したものが、去年のギフトショーでまさかの大賞を受賞してしまって(笑)

試作を出したら2025年ギフトショーで大賞を取ってしまい、急遽上級編講座を申し込まれました。殺菌方法が初級編とは別物
取引の依頼が殺到してしまい、急に本格的に販売する必要が出てきて「これはやばい」と。
そこで、すぐに上級編の講座を申し込みました。※2)
初級編では商品化に必要な基本的な事は学べるのですが、加工品についてはピクルスのみと限定的です。
ジャムや飲料水、ドレッシングやオイル漬けなどはpHだけの殺菌方法の知識では足りず、Aw(水分活性)などより踏み込んだ内容も学ばなければ作る事が出来ないと知りました。
動画は何度も見てメモを取り、「絶対に元を取ってビジネスに活用しなきゃもったいない」という一心でノートを3冊も作りましたよ(笑)
※2)講座は後から上級編のみを追加で受講すると言う事が出来ませんので、初級編+上級編の料金をお支払い頂いております
【椋木】
3冊も!?それはすごい熱意ですね(笑)
その学んだ知識を事業には活かせましたか?
【斎藤さん】
もちろんです!
上級講座のおかげで今はジャムやドリンク、シロップ、みかんジュースなどの加工品を製造できるようになり、同じように大量な製造ロットのせいでOEMが発注できない農家さん達から100本、200本単位の少量受託生産を受けるようになりました。
さらに、農業の従業員は雨の日には仕事がなくなってしまうという問題がありましたが、雨の日を「加工の日」にすることで、従業員を無駄なく活用できる仕組みも作れました。
【椋木】
それは素晴らしいですね!
従業員の方の雇用安定にもつながりますね。
【斎藤さん】
また、加工品事業を拡大する中で、腐る寸前の桃をピューレや冷凍で輸出するお話を頂いて、そこでは輸出関連の補助金も活用できました。
補助金についても自分で調べて積極的に申請しています。
農業は補助金がないと儲けを出すのが難しいので、御社の講座で得た知識を土台に、加工業の仕組みを確立できたからこそ、次の段階として補助金も活用して事業を広げられています。
◆障害者デザイナーと共に作る「可愛い」デザイン
【椋木】
商品のデザインもすごく可愛いですよね。
これはどこに発注されているんですか?
【斎藤さん】
ありがとうございます。
デザインは、障害のあるデザイナーさんにお願いしています。
私はもともと保育士をしていて、そこの保育園では障害児の数が結構多かったんです。
その障害児のご家族から将来の不安を聞いていた経験から、農業と福祉を繋げたいという思いがありました。
才能があっても肢体が不自由で営業が思う様に出来ない障害者の方達を集めた団体があり、そこのデザイナーさんに発注をしています。
【椋木】
農業、加工、そして福祉。
すべてが繋がっている素晴らしい取り組みですね。
最後に、これからの展望を教えてください。
【斎藤さん】
講座で加工品製造の「理屈」が分かったので、今はとにかく作れる範囲でいろいろなものに挑戦したいです。
今度は地元の桃を使ったジュース(ネクター)にも挑戦したいと考えています。
補助金なども賢く活用しながら、農業と加工業でしっかり収益を上げていきたいですね。
【椋木】
まさに講座の学びを最大限に活用し、事業を力強く成長させているお手本のような事例ですね。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?
斎藤さんは自社農園のスタッフにも障害者の方を積極的に採用しており、農福連携に本気で取り組まれています。
斎藤さんが受講されたのは2022年のコロナ禍真っ只中で、本当に世の中がどうなるか分からない中での受講でした。
4年前に学んだ知識をこうやって今の事業に活かして頂けているというのは、本当にありがたい事です。
学んだ知識は一生モノです。誰にも奪われません。
それでは!

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