事業売却成功。こだわりを捨てて手に入れた一生モノの経営視点。
社会人向け加工食品専門学校ピクルスアカデミー
今回は、テイクアウト専門の鳥の丸焼き店「ヒノトリカゾク」の経営から、現在は建設現場作業員100人の独身寮の管理人という全く異なる事業へと転換された西岡さやかさんにお話を伺いました。
飲食業から一度離れ、全く新しいキャリアを歩むことになった背景には、このの講座で得た「ある視点」の変化があったと言います。
講座が西岡さんのキャリアと人生に与えた影響について詳しくお話を伺いました。
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◆講座受講が導いた、経営者としての新たな視点
【椋木】
本日はありがとうございます。早速ですが、まず受講前の「ヒノトリカゾク」の事業状況についてお聞かせいただけますか。

事業売却をした「ヒノトリカゾク」
【西岡さん】
はい、「ヒノトリカゾク」はテイクアウト専門の鳥の丸焼き店で、最初はテレビや雑誌の取材もあってすごく忙しく、売上も凄まじかったんです。
その状態が2年ほど続いたんですが、徐々に売上も落ち着いてきて、移動販売やイベント出店なども始めるようになりました。
そんな頃にインスタの広告でこの講座を知りました。
【椋木】
今はもう「ヒノトリカゾク」は閉められたのですよね。
【西岡さん】
はい、実は「ヒノトリカゾク」は事業売却をしたんです。
商品自体は売れていたので買い手は直ぐに見つかりました。
現在は大阪で、結構大きい会社の作業員さん達100人の独身寮の管理人をしています。
ただ、寮の管理人と言っても皆さんがイメージしている様な寮母さんのようなものでは一切なく、仕事内容は殆ど経理や事務、作業員の配置指示や所長である夫のサポートがメインの仕事です。
【椋木】
ご主人共々、飲食業から一転、寮の管理人とは、全く異なるお仕事ですね。
正直なところ、私の講座はあまり意味がなかったんじゃないですか?
【西岡さん】
いえいえ、それが逆なんです!
実は昨年インタビューのご依頼のお話をいただいた時には、「もうお店を辞めてしまったし受けるのは申し訳ないな」と思ってお断りしたんです。
でも、振り返ってみると、あの講座がなければ今の私はなかったと思って今回お受けしました。
特に、椋木さんに指摘された私の思考のクセと経営の相談ができたことが、その後の私の人生にとってすごく良かったんです。
◆「ただの唐揚げではダメだ」が生んだ大ヒット商品
【椋木】
経営相談ですか?どのようなことが印象に残っていますか?
【西岡さん】
椋木さんが指摘してくださった「経営者が考える事」と「現場の調理者が考える事」の違いに気づけたことです。
現場に立つ私はどうしても品質重視で、国産でなければ〜、調理法はここうしなければ〜、とこだわり過ぎていました。
でも、夫は社長としてお店を成り立たせるための「効率」を重視する。
椋木さんは一人で起業され、現場の視点も経営者の視点もどちらも持ち合わせているので、私と主人の考え方の違いをズバズバ言い当てたんです。
「ご主人こんなこと言ってきませんか?こうしてくれって言ってません?」というのが、え?見てたの?ってくらい全部当たってて(笑)
それで、初めて主人が考えている事が理解出来たんです。そこから自分の考え方がガラッと変わったんです。
【椋木】
そうだったんですね(笑)
私が現場で作業する場合、いきなり過剰な手間をかけて作るのではなく、「効率」と「品質」と「売上」を客観的に見て作業工程を決めるんです。
手間をかけ品質にこだわったからと言って絶対に売れるというわけではなく、売れるようにする方がよっぽど重要だと思っているので。
目標金額に達成する為には100個作らなければならないのであれば、それが達成できる事を最優先に考えないといけなんですよ。
西岡さんはこだわりが強すぎるあまり、全ての作業が必要だと思い込んでいたんですよね。
でも、優先順位を整理していったら当然売上が一番重要で、それが達成できない今の方法はそもそも間違ってますよ、って指摘したんですよね。
【西岡さん】
はい。そうなんです。
講座を通じて、行動の前に優先順位を決める、優先順位は客観的に決める、優先順位は経営者視点と現場視点で考える、この考え方をマスター出来たのが本当に良かったです。
そしてもう一つ、「かもじまチキン」が生まれたことです。
マルシェに出す商品を考えていた時に、うちは鶏肉がメインなんで普通に唐揚げを出そうと思っていたら、椋木さんから「ただの唐揚げを出したら今後絶対にダメになる。差別化しないとイメージがマイナスになるから、そんなもん出すくらいなら出店しない方がいいですよ。」と全力でストップがかかったので、骨付きのチューリップ型のチキンカツ、「かもじまチキン」を開発しました。
これがイベントに出したら大成功で、大大大行列ができるほどでした。

幾つものヒット商品を生み出した西岡さん。その中でもとんでもなく売れたという骨付きのチューリップ型のチキンカツ。
【椋木】
そんなに売れたんですか?
【西岡さん】
はい!これ一本で事業化できると思ったくらい売れました。
唐揚げではなく骨付きのチキンカツにしたことで差別化ができ、食べ歩きも出来て見た目もPOPなのでイベントではどこに行っても大人気でした。
ただ、残念ながら、仕入れ先の地元の鶏肉業者が廃業してしまい、この骨付きのチューリップの形に加工してもらうことが出来なくなって、メニューとしては終焉を迎えてしまったのです…。
出せば売れると分かってはいても、一羽の鳥から2個しかとれないという数の制約と、他の業者を探して加工してもらったのですが、どこもクオリティが低く、断念せざるを得ませんでした。
◆事業転換で得た「誰にも奪われない武器」
【椋木】
それは残念でしたね。
しかし、「ヒノトリカゾク」自体は、丸焼きの技術を望む方に事業を売却されたとのことですね。
【西岡さん】
そうです。
丸焼きの技術を教えて、その方が今東京で立ち上げ準備をされています。
そして私は今、大阪で全く新しい分野の仕事に携わっています。寮の管理人と言っても、メインは経理と、100人以上の作業員さんをどの現場に配属するかという戦略的な営業所の仕事なんです。
100人もいる寮なのでこの会社では大阪で一番の規模になります。
【椋木】
まったく違う世界ですね。
ただ、西岡さんのこれまでのご経験、冷凍ケーキの成功(※ヒノトリカゾクの前は冷凍ケーキ事業で大成功され売却済み)、「ヒノトリカゾク」の立ち上げと売却、そして「かもじまチキン」の成功のノウハウは、決して無駄になっていないと感じます。
【西岡さん】
まさにその通りで、それが私にとっての「武器」だと思っています。
今の仕事は一生続けるわけではないと考えていますが、これまでの経験や講座で学んだ考え方、自分達でヒット商品を生み出したというノウハウは誰にも奪われません。
一度事業をクローズしても、「また次に何をするか」を自分達のレシピやアイデアの中から選んで、いくらでも現実化出来る自信がつきました。
明日飲食店を立ち上げろと言われても多分出来ます(笑)
【椋木】
西岡さんのようにこれまでのノウハウを蓄積し、次のステップに進むための「武器」を持つことは、ビジネスを経験された方の強みですね。
本日は大変興味深いお話をありがとうございました。
【西岡さん】
あの時、経営の視点を学べたことは、私たち夫婦にとって一生の財産です!
こちらこそ、ありがとうございました!
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「明日にでも飲食店は開業できる」とおっしゃっていましたが、これ本当にそうで一度起業や開業をした人って次の事業を始めるハードルが物凄く下がるんですよ。
一番最初に始める時は不安ですし、ドキドキも止まりませんし、大丈夫かな?本当にやっていけるのかな?と心配の種が尽きることがないのですが、一度やってしまうと「なんだ、こんなもんか」となってしまうのです。
私は2013年に起業をして、この13年の間に経営の酸いも甘いも経験してきました。
特にお金に関わる心配事の耐性はめちゃくちゃ付きましたね。
最初は300万円融資してもらうだけでもびくびくしてましたが、今はそんな金額借りるとなっても毛ほども動じないですね。
今の店舗つくるのに3000万くらい融資受けてるのですが、それの返済計画見ても「まあ返せるだろ」としか思いませんでしたし。
西岡さんはこれまでいくつも事業を立ち上げ売却をする中で、様々なノウハウを蓄積しているので何かあってもその引き出しの中から次の武器を生み出せばいい、というドンと腰を据えた力強さがあります。
これは西岡さんだから出来るというわけではありません。
西岡さんも最初はただの素人の主婦だったんです。
キャリアは関係なく、経験を積めば誰でもそうなりますよ。
私もただの会社員だったんで。
それでは!

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