商業用ピクルスの作り方
社会人向け加工食品専門学校ピクルスアカデミー
おはようございます。
昨日の記事を書くために萩の産直に行ったので、ついでに実際にそこで買った材料でピクルスを作ってみます。
ただし、私が書く記事でただのピクルスのレシピを紹介しても意味がないので、実際に「商品として販売する」ことを前提とした作り方をお見せします。
今回の記事で重要になってくるのは「商品として販売する為に本当に必要なことは何か?」という一点です。
それをこの記事では分かりやすくする為に「どーでもいい」と「重要」の二元論で表現したいと思います。
今回作る商品の条件として「萩市産の食材」に限定をします。
なので、産地が萩市というのは「重要」に該当します。
皆さんが地元の野菜で作りたい場合は、地元野菜として置き換えて読んで下さい。
「重要」です。

【重要です】まず、加工場を用意し、製造許可を取得します。

【重要です】製造許可を取得します
弁当やからあげを作りたい場合は「そうざい製造業」、ジュースを作りたい場合は「清涼飲料水製造業」と言うように作る商品によって保健所に申請をして製造許可を取得します。
ピクルスが作りたい場合は「漬物製造業」を取得します。
これが用意できたら、正直8割が終わっています。
そうなんです。
加工品製造で一番ハードルが高いのが「加工場を用意する」ことなのです。
ぶっちゃけ加工場があれば、あとは食品衛生法の知識だけで加工食品は作れてしまうのです。
昨日買ったのは、黄色い人参、鷹の爪、ローリエ、と100均で買った瓶。

【重要です】食材の調達。「主たる原材料」の「萩市産」の「人参」
これは萩市産という条件は「重要」です。
農家さんから仕入れようが、八百屋から仕入れようが萩産であれば問題ありません。
また、鷹の爪、ローリエは「どーでもいい」です。

【どーでもいい】ローリエ

【どーでもいい】鷹の爪
これらは萩産である必要すらありません。
中国やベトナムなどの外国産でも問題ありません。
なぜなら、食品表示で原産国として記載する必要があるのは「主たる原材料のみ」と指定されているからです。
萩野菜ピクルスではローリエや鷹の爪は「調味料」として使用しており「可食部」ではありません。
全部を萩産にこだわりたいのであれば、砂糖も塩もお酢も全部萩産にする必要があります。
そんなのは現実的ではありませんし、まず原価的に商売として成立しません。
趣味でやるべきです。
野菜をお好みのサイズに切って、砂糖や塩、ハーブ、お酢などを組み合わせてピクルス液を作ります。
いわゆるレシピですね。

【どーでもいい】砂糖、塩、お酢、ハーブなどのレシピ

【どーでもいい】ピクルス液を作る

【どーでもいい】材料をカットしたり茹でたり調理する
これは「どーでもいい」です。
一番どーでもいいです。
美味しい、不味いは正解がないんですよ。
強いて言うなら自分が美味しいと思う味付けが正解です。
そんなのを人に委ねちゃいけません。
あなたの商品なんですから。
「重要」です。

【重要です】pHを計測する
これは明確な「正解」があります。
この講座では「ピクルス液のpH」「完成した商品のpH」を分けて計測してもらい、数値を徹底して守ってもらいます。

【どーでもいい】作ったピクルス液を充填します
「どーでもいい」です。
「重要」です。

【重要です】煮沸し、温度と時間を計測します
これも明確な「正解」があります。
この温度で重要になるのが、煮沸時のお湯の温度と、野菜の中心温度です。これも徹底して守ってもらいます。
「どーでもいい」です

【どーでもいい】商品のシールを貼ります

【どーでもいい】真っ直ぐ正確に貼れなくてもどーでもいい
「重要」です。

【重要です】食品表示シールを制作して貼る。栄養成分も計算する
食品表示法はルールがめちゃくちゃ細かいです。

【完成】

【納品】

【納品】

【プレスリリース】プレスリリースを出しまくって雑誌に掲載してもらいます。有料掲載の依頼は全て断ってください。本当の取材依頼だけ受ける。ネット注文がめちゃくちゃ来るようになります。
これで納品できます。
いかがだったでしょうか?
重要な項目は「加工場」「産地」「pH」「殺菌温度と時間」「食品表示」の5点だけという非常にシンプルなものでしたね。
食品加工において、分けて考えなければならないのが「絶対に守らなければならない事」と「個人の裁量に任せて良い部分」があるという事なんです。
「絶対に守らなければならない事」」というのは「法律や安全の担保、微生物の抑制や衛生管理」など、人の健康被害に直結する部分です。
「個人の裁量に任せて良い部分」というのは味付けやデザインなど、人の五感に訴える感覚の部分です。
ぶっちゃけ、売上に直結するのは「個人の裁量に任せて良い部分」の方が大半を占めるので、どうしてもそっちに注力をしがちになる気持ちもわかります。
ですが、それも「健康被害を絶対にださない」という土台があっての話です。
適当に作った商品で食中毒を起こして、「あなたの商売」がどうなろうとそんなのはどうでもいいんです。
あなたの商品を食べて「人を食中毒にしてしまう」事が一番の問題なのです。
記憶に新しい「マフィン」の大規模食中毒事故なんてその最たる例です。
稼ぐことを優先し、衛生管理を甘く考え、私たち加工品製造をするプロから見たらあんな考えられない環境で何百というマフィンを作って、食中毒が起きない方が奇跡です。
あれも基本をちゃんと守っていれさえすれば、あんな事は起きなくて済んだんですよ?
まだ去年のデータは出ていませんが、直近の最新データだと2024年の手作りジャムなどの加工食品での食中毒事件数は1,037件、患者数14,229人です。
今だにこんな件数の食中毒が発生しているんですよ?
この中に入りたいですか?
私は絶対に嫌です。
当然ですが、この講座の受講生の事故発生件数は0件です。
守る所はしっかり守って作っていれば、怖い事なんて一つもないのが、ある意味加工品製造の楽な部分です。
全部数値化出来るので。
この講座ではpHも、Awも殺菌時間も殺菌温度も全部数値で教えます。
明日は山口講座の日なので体力が残っていれば記事を書きますね。
それでは!

.png)