「よかれと思って」という思い込みの作業は会社もスタッフも潰す
社会人向け加工食品専門学校ピクルスアカデミー
今回ご紹介するのは2月18日に山口講座を受講をされたTさんです。
Tさんは鹿児島で英国喫茶を営んでおられる女性経営者です。

「よかれと思って」という思い込みの作業は全部止める必要がある。自分やスタッフの首を絞めている根源はコレです。/2/18@山口講座
当初は茶葉を輸入してお店で出していたそうなのですが、国産で提供したい、という強い思いからなんとゼロから茶葉農園を立ち上げ、今では自社栽培の国産紅茶を提供する日本でも数少ない英国喫茶となっております。
そんなTさんがなぜこの講座を受講したのか、以下の様に綴られています。
私共はこだわりを持って商品(紅茶)を作っているがゆえに、商品の製造量が少なく、そのものの販売だけではなかなか売り上げがあがりません。
なので、その紅茶を使った菓子、プリンなどを販売予定ですが、生モノの販売をしたことがないので、その不安を解決する方法を学び、販売開始する事が一番の目的です。
御社の活動や受講生の記事を読み、思い当たる問題点がたくさんでてきました。
受講することにより、さらにクリアにし、早急に改善していけるのではないかと思っています。
また、プリン等を作って販売したいと目的に書きましたが、こだわり過ぎて前に進まない気がしましたので、その塩梅も学びたいと思います。
売上があがらないとは書かれていますが、話を伺うと、十数年も運営をされているので決して赤字という訳ではなく、頭打ちの売り上げのカンフル剤として加工品に着手したいという事でした。
講座当日は元気満々だったのですが、翌日から体調を崩されたとのことで一昨日感想をしたためてくださいました。
体調も完全ではないなかありがとうございます(汗)
それではTさんのご感想です。
先日は、誠にありがとうございました。
こんなに体調崩したことはなかったのですが、やっと、復活いたしました。遅くなってすみませんでした!
【受講してよかったこと】
喫茶営業もしている。お菓子も作って販売もしている。なのに受講した訳。
それは、不安材料を無くすことでした。
加工の知識が少しはあっても、安全な食品が提供できるわけではありません。
どうしたら、自信をもってお客様に持ち帰ってもらえるものが作れるか、という疑問の解決方法をバンバン教えていただきました。
また、100%納得いくものを提供しないといけないと思い込みすぎて、苦しくなっていた雁字搦めの考え方を、ゆるゆるに柔らかくしていただきました。
おさえなければいけないポイント(細菌検査・賞味期限)を感覚ではなく、数字で確保したら、あとはお客様の反応を見ながら作り変えていったら良いのですね。
自分が作りたいものを作るのではなく、お客様が欲しいものを作る。
その基本に立ち返れたことが最大の良かった点です。
【授業内容でおどろいたこと】
いかに手を抜くかを考えるということ(笑)
といえば、悪く聞こえますが、きちんとポイントを抑えたら、あとはいかに作業効率をあげていくかを考えるということです。
今まで必死にいらない作業までしていたのだと、再確認させてもらいました。
また、ご自分の失敗、成功を含めた経験を、おしげもなく見せていただけたことには、驚きとともに、感謝してます。
【講座内容は満足できるものだったか、そこはどこですか?】
私の疑問にすべて答えてもらえました。
授業前から用意していた質問も、途中でなげかけた疑問にも、納得いく答えをもらえました。
ヒントは充分にいただけましたので、あとは実行するのみ!
ありがとうございました!
このご感想の中にとても重要な文言が書かれていました。
「いかに手を抜くかを考えるということ(笑)」
本当にこれめちゃくちゃ大事なんですよ。
言い換えると「過度な、必要以上の、思い込みでやっている」事を全部やめろという事です。
大事なことなのでもう一度言いますね。
「手を抜く=サボる」ではなく、「成果に直結しない無駄な努力を削ぎ落とす」ということです。
私は起業して4年間一人で会社を運営していました。
製造も営業も事務作業も全て一人です。
この講座を通じて起業する方の多くは一人で起業されるので、スタートはこんな感じになると思います。
だからこそ、「無駄な行為」を客観的に判断し、止めなければならないのです。
例えば、ランチ営業で「売り切れ」を極端に恐れるあまり、過剰な仕入れをしてしまうケースがそれです。
売るチャンスを逃したくない一心で、分不相応な量の食材を抱え込めば、当然ながら仕入れ額も廃棄のリスクも跳ね上がります。
どれだけ売上が立っても、過剰に仕入れ、裏で食材を捨てていれば元も子もありません。
お金がいくらあっても足りない状況を自ら作り出しているのは、皮肉にも「機会損失を出したくない」という過度な思い込みなのです。
また、製造現場における衛生管理も同様です。
殺菌の手間をどこまでかければ正解かがわからず、不安に駆られるまま「清潔そうに感じる施策」を手当たり次第にやってしまう。
そうなれば、清掃や消毒の作業だけで膨大な時間が奪われ、肝心の製造ラインが回らなくなって現場は疲弊しきってしまいます。
本来、衛生管理には科学的な根拠があり、それを知っていれば「ここまではやらなくていい」という明確なラインが引けるはずです。
しかし、その「ライン」を知ろうとせず、闇雲に思いつきで作業を増やすことは、努力ではなくただの思考停止に他なりません。
受講生でも一番聞くのが、今だに煮沸殺菌後に瓶を逆さまにしているという愚行。
出来てもない脱気を出来ていると勘違いしている蓋の開け閉め。
このように、私たちのリソースを奪っているのは、実は「良かれと思ってやっている無駄」であることがほとんどです。
根拠のない不安や思い込みを捨て、どこで手を抜くかを真剣に考えること。
それこそが、少人数でも楽に大量生産をする為の唯一の道なのです。
最後に、身近に感じられる例をひとつ挙げます。
今朝、掃除をしている時にいつもの様にカーペットに掃除機をかけていました。
この掃除機は吸引力が「強」「弱」が選べ、私はいつも「弱」でかけています。
しかし、今日はなんとなく「強」でかけてみました。
吸引の音もいつもの倍以上でものすごく吸っている感じがしますし、実際そうなのでしょう。
カーペット一枚掃除機をかけ終わった後見てみたら、いつもより綺麗になった気もします。
よし、明日からこれでやろうかな、と一瞬思いましたが、すぐに思いとどまりました。
これが「無駄、過剰、過度」の始まりだという事を知っているからです。
私が持っている掃除機はダイソンの最軽量タイプのものです。
最初に買ったダイソンはめちゃくちゃ重たいが、吸引力が最強タイプのものでした。
この吸引力に惹かれ購入をしたのですが、毎日掃除機をかけているとこの重量に腹が立ってきたのです。
そこである時気づきました。
家一軒まるごと掃除機をかけるの最も必要なことは「疲れないこと」だ、と。
最強の吸引力??
いらないんですよ、そんな機能。
うちにそんなに吸引力が必要なゴミ落ちてませんから。
せいぜいホコリやチリ、髪の毛くらいです。
毎日掃除機をかけるので、そんなに汚れはたまらないから吸引力を「弱」にするという判断を下したんです。
なので今後もカーペットは「弱」でかけ続けます。
その代わり毎日かけます。
この場合「過度」になる施策は、カーペットを「強」でかけたり、毎日布団叩きで埃を出したり、床を雑巾掛けするといった行為です。
経営者の思いつきの施策で指示を出されたスタッフはたまったもんじゃありません。
今回話は耳が痛い現役経営者も多いと思いますよ。
皆さんもそうならないよいうに自分の生活から見直してみてください。
それでは!

.png)