スタッフが辞めない職場の作り方
社会人向け加工食品専門学校ピクルスアカデミー
昨日とあるスタッフからご懐妊の報告を受け、長期のお休みを頂くかもしれません…と申し訳なさそうに伝えられたので「いや、全然いいですよ!気にせず休んでください」とお話ししました。
彼女は初期からいるメンバーで、雇用保険にも加入しているベテランさんです。
「もちろん育休中の給与も保証しますし、出たい時に出て無理だと思ったら帰っていいですよー」ともお伝えしました。
しかし、責任感のあるスタッフさんなので自分が抜けることで迷惑が掛かることと、長期休暇をとった後の処遇もとても気にかけていました。
「本当にここの職場は働きやすくて皆いい人なので、ここを辞めたくないんです」
と伝えられ「いや、だから大丈夫ですって(笑)本当に復帰したい時に自由に復帰してくれたら大丈夫なんで(笑)マジで何も気にしないでください。」
と念を押してお伝えをしました。
事あるごとにこの投稿でも何度もお伝えしていますが、今でこそスタッフにこんな感じに思ってもらえる職場になっていますが、うちは一度スタッフの大量辞職を経験しています。
原因はスタッフに過度な労働を強いてしまった事、これに尽きます。
私は起業して4年間一人でピクルスやサンドイッチを作り続けていたので、その大変さは誰よりも理解していました。
なので、今の大型店舗を作る時はスタッフの負担を分散させるために「人数を増やしてカバーする」という手法を用いたのですがこれが大失敗でした。
当時のランチメニューは20種類ほどあり、それに併せてサンドイッチ、フルーツサンド、ピクルスも作るというとんでもない量をこなす必要がありました。
一つひとつのオペレーションはとてもシンプルにして、効率化していたので一見楽に見えるのですが、それが20種類となれば効率化は意味を成しません。
覚える作業も、仕込みも大量になり、尚且つ時間に追われるので現場はギクシャクし始め雰囲気は最悪。
最低6人は作業場に配置していたのですが、とても回せる作業量ではありませんでした。
尚且つ私自身はもう現場には立たないと決めていたので、怒りの矛先は現場にいない私に向けられます。
当然ですよね。
これが原因となり、ある日半分以上のスタッフが一斉に辞職願を出してきて、現場が回らなくなる、という経験をしたのです。
もう4年前の出来事になりますが、あの日の出来事は今でも鮮明に覚えています。
今では冒頭に書いた様に働きやすい良い職場だと言ってもらえるようになり、作業場からはスタッフのキャッキャ、キャッキャという笑い声が絶えない現場になっているのですが、どうやってこれを成し得たのかをお話しします。
あ、因みにうちの従業員は30名ほど在籍していますが20代〜60代で全員女性です。
男性は私しかいませんがほとんど現場にいないので私に会う事はなく、全部彼女たちが作業を分散して現場を回してくれています。
話を戻します。
まず最初に手をつけたのがランチメニューを20種類から4種類に減らした事です。
メニューの選定は売上上位のもの2種類とお店のイメージを伝え易いサラダボウル2種類だけを残し、他は全部中止。
うちの店舗は萩野菜ピクルスという野菜のイメージが強い印象があるので、お客様は野菜が食べるお店として認識されていました。
なので、野菜が食べたいな、と思った時にうちのお店がパッと頭に浮かんでもらう必要があるので、そのイメージにそぐわない、ただ美味しいだけのメニューは取りやめました。
経営側からすると、一番楽なのは1メニューしかなくそれが売れ続ける事です。
例えばラーメン屋さんがあって、「ラーメン」という一つのメニューしかない状態であれば、それだけを作り続ければ良いだけなので仕込みもオペレーションも一番楽になります。
これは製造スタッフにとっても理想的です。
だってその作り方さえ覚えればあとは機械の様に作り続ければ良いだけなので。
なので、うちは新メニューの開発や季節限定メニューというのは一切出しません。
要はスタッフが頭を使う作業をいかに減らしてあげるか、が経営者には必要だという事です。
うちは高級レストランを目指しているわけはありません。
気軽に美味しい野菜が大量に食べれるという事を強みにしているので、野菜を洗う、切る、盛り付けるという作業だけなので頭を使う必要がないのです。
ハンバーグというメニューもありますが、これもパティを焼く、タイマーをかける、タイマーがなったらひっくり返してまたタイマーをかける、という作業しかありません。
なので、今日入った新人でも出来るのです。
スタッフは4種類のメニューしか覚える必要がなく、マニュアル通りに機械的に動けば良いだけなので慣れていけばどんどん手が速くなり効率化ができ、今では平日は3人だけで回せるようになりました。
土日祝は4人に増やしていますが、その程度です。
次に働き易い環境づくりで意識しているのが「人間関係」です。
私が一番神経を使っているのはほぼこれです。
みなさんも経験があるんじゃないでしょうか?
嫌な先輩、嫌な同僚がいるせいで仕事が楽しくない、という経験。
もちろん私にもあります。
これは本来仕事には一切不必要な悩みのはずです。
経営者としては、こんな事で仕事のパフォーマンスを落とされるのが一番無駄な事なのです。
うちの職場では人間関係のトラブルはゼロだと断言できます。
その理由は今まで人間関係が原因で辞めたスタッフがゼロ、という事と辞めていくスタッフの理由が学校の卒業と、夫の転勤、引っ越しくらいしかないからです。
うちの店舗は山口大学の近くにあるので、学生バイトも多く、卒業と同時に全員辞めていきます。
その時に皆んな下の様なメッセージをくれるのですが、本当に働き易いんだと思います。



これはどうしてこうなっているかと言うと、面接時に「うちの職場では人間関係のトラブルで仕事がやり辛くなるということは絶対にない事を保証します。それはまず私の偏見で性格の良さそうな人しか採用していません。そしてもし、先輩スタッフに嫌な事を言われたり、気になる言い方をされたりしたら、当人同士で話し合うのではなく絶対に私に直接言ってください。双方の意見を聞いてどちらかに問題があると判断した場合、先輩後輩関係なくどちらか必ず辞めてもらいます。」と伝えているからです。
これに併せて、新人スタッフを含む全スタッフに対しては以下のメールを一斉に配信しています。
これは個別に配信しては効果が弱まるので、全員が見れる共有メッセージで配信をしています。
要はうちの職場の価値観はこう言う事だから全員で共有してね、という意味合いで全員に見せます。
これは皆さんが新人として入った時に、先輩スタッフには毎回伝えています。
今皆さんが人間関係に悩む事なく働けているのも、先輩スタッフの気遣いや努力によるものです。
うちの職場では人間関係のトラブルは絶対に許しません。
何かあった場合は当人同士で指摘し合うのではなく、必ず椋木に直接連絡してください。
職場での人間関係の悩みは、何の生産性も無く業務にとって一番不要な問題です。
こういった問題の多くは言葉遣いがきっかけになる事が多いので、新人さんは年齢関係なく最初は全員に敬語で、先輩スタッフも新人さんには敬語で接して下さい。
言葉遣いを崩していく距離感は当人同士にお任せしますが、当面は全員敬語で徹底して下さい。
よろしくお願い致します。
椋木
これは新人スタッフが入る度に全員に送るので、ベテランスタッフはこれを何十回も見ています。
私は基本的に現場にはほとんど行きませんが、たまたま行った時にスタッフ間のコミュニケーションに違和感を覚えた時はこっそり本人に伝えたりします。
新人スタッフは唯でさえ緊張しているので、よほど気を使って接してあげないと、何の気なしに発した言葉がナイフの様になることがままあります。
私は学生であろうが60歳のスタッフであろうが絶対に敬語で接しています。
こういった努力のおかげでもあると思いますが、昨日妊娠の報告を受けたあと、一度辞めたスタッフがまたここで働きたいという連絡が来ました。
この方はコロナの影響で辞めざるを得なかったのですが、再度働きたいと思える職場にはなっているんだと思います。
これから起業を目指す方は初期段階では経験できる出来る苦労はなるべく経験しておいた方が絶対に良いです。
その経験がないとスタッフ雇う時に、どの作業が大変で、ストレスが溜まるかが分からないまま指示をだしてしまう事になります。
それでは!

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