デザインセンスや技術は仕事にしないと覚えない
社会人向け加工食品専門学校ピクルスアカデミー
今日受講生のOさんからこんな相談を受けました。
という相談です。
チラシを作る場合、今は無料のツールなどがあるのでそれを使えばある程度のものは作れるのですが、Oさんは従業員の方に汎用性のある画像編集技術を身につけてほしいらしく、それであれば基本的にphotoshopやIllustratorというソフトを使いこなせる様になる必要があります。
と聞くと、全く使えないとのこと。
この様に、自分が教える事ができない技術を従業員に習得してもらう場合、絶対にやらなければならない事があります。
それは「仕事にする事」と「任せる事」です。
Oさんはphotoshopの教材の本を買ってスタッフに覚えてもらうつもりでいました。
それは間違いではないのですが、それだけでは絶対に技術を習得できません。
photoshopやIllustratorの教材本に求める成果は「操作方法を覚える」だけに留めます。
教材本を読んでもデザインセンスが磨かれることは決してありません。
あれに求めていいのは「基本的なソフトの使い方」までです。
それ以上のレベルのものは「実践」でしか学ぶ事ができません。
では実践とは何か?
それは「仕事」です。
スタッフに本を与え基本的な使い方をある程度理解させたら、仕事としてチラシを作れと仕事を依頼するのです。
しかし、スタッフは基本的なソフトの使い方しか分からないので、100%作れません。
なので次のステップとしてやる事は、あなた自身が作ってほしいと思っているチラシにイメージが近いものをスタッフに渡して「これと全く同じものを作ってくれ」と依頼を出すのです。
もちろんこれは練習としての課題なので、それをそのまま自社のチラシにするわけではありません。
この「模倣」という作業が一番最速で技術が身につくのです。
断言します。
だって私がそうだったから。
同じチラシを作ろうとすると、分からない事だらけで壁にぶちあたります。
それをgoogleやyoutubeで検索して一個一個課題をクリアしていく事こそ、技術を向上させる唯一の方法なのです。
これからphotoshop覚えて画像編集をしようと考えている人や、premire proを使って映像編集を覚えようとしている人に伝えておきます。
プロでも作業は使い方を「検索」しながら進めます。
ああいう編集ソフトの使い方を完璧にマスターしている人間はいません。
実は知らないツールだらけです。
なので作業をしていると「これをこうしたい場合はどうするんだ?」という場面に必ず出くわすのですが、その度に検索をかけているのです。
それで「あー、こうするんだー」と解決することで知識が増えていきます。
プロの人たちは「あー、こうするんだー」の知識の積み上げがめちゃくちゃ多いのです。
なぜか?
それは仕事として実践をしまくっているからです。
仕事量が多いという事は、比例してぶつかる壁の量も増えるので、検索して解決する度にレベルが上がっていくのです。
私はデザインセンスを褒められる事があるのですが、学校に行ったこともなければ誰かに教わったわけでもありません。
最初はとにかく良いと思ったデザインを模倣しまくったのです。
そうすると、いざオリジナルのデザインでチラシなどを作ろうとした時に自分のデザインセンスの無さに気づくのです。
「なんか違う。なんかダサい」と。
大事なのはこの違和感です。
模倣をしまくっていると、デザインセンスの良いものばかりに触れるので、デザインの正解のようなものが感覚でわかりだすのです。
そうすると、ダサいものも分かるのです。
自分がオリジナルで作ったものは最初めちゃくちゃダサく感じます。
なんだこの素人感丸出しのデザインは…と愕然とすることでしょう。
しかし、すでにダサいという感覚はわかっているので、その違和感を一つ一つ紐解いていく作業に移ります。
これが「センスを磨く」という作業です。
例えば、「文字の間隔」が一番わかりやすいと思います。
通常パソコンで打つ文字は人の目に一番読みやすい文字間隔で設定されているのですが、デザインとしてはそのまま打つとダサい事が多いのです。
なので、文字の間隔を大きく開けるとそれだけでも洗練されたように見えてくるのです。

左が文字の間隔を広くしたもの、右が通常の文字間隔。左の方がデザインとして完成度が高いのが分かる。もちろん左を採用しています。

書体でも印象が変わる。こちらは老舗感を出したいので古びたフォントでデザインをしている。こちらが実際に使っているデザイン

書体をポップにしてみると印象がガラリと変わる。使用しているフォントはホームセンターのGooDayが使用しているものと同じ。可愛い印象になる

フォントは有料、無料のものがある。ちなみに上に使っているグッデイのフォントは有料で買っています。
この様に自分の作ったデザインに違和感を抱き、それを解決していくことで地力が向上していくのです。
つまり、技術の習得にはめちゃくちゃ時間がかかります。
話を戻しますが、スタッフに技術を習得してもらいたいのであればそれ相応の時間が必要になります。
その時間があるのであれば、このように仕事として依頼をし、そしてどんなクオリティのものが仕上がってきても認める胆力が必要になります。
そして、一番重要な事がどんなものが成果物として仕上がってきても怒らない。
だって、スタッフはあなたに言われて未知の技術を習得しようとしてくれているのですから。
そのような広い心がないのであればスタッフに覚えさせるのではなく、自分で覚える、もしくは諦めて外注にだすしかありません。
私は起業する前に、カメラの撮影技術と画像編集技術、ホームページの作成技術をなんとか身につけたかったので、とりあえず一眼カメラとphotoshop、HP制作ツール、そして各教材本を買いました。
それで、友人や知り合いの経営者に「無償でいいから商品撮影をさせてほしい、ホームページを作らせて欲しい。」とお願いして、撮影とホームページを作りまくりました。
人にお願いなどせずに、自分でポスターとか作ればいいじゃないかと思うかもしれませんが、これだと人間はやる気にならないんです。
タダとは言え、人様の商品やホームページなので取り組む姿勢は完全に「仕事」です。
変なものは作れない、という責任感が生まれます。
これが自分勝手につくるチラシやホームページだったらこの緊張感が生まれないのです。
これをやり続けていった結果、起業する頃にはHP制作や写真撮影を20万円から請け負うようになっていました。
もちろんここに至るまで1年以上かかってます。
「デザインセンスや技術は仕事にしないと覚えない」
これは私の実体験をもとにした持論です。
それでは!

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