事業再生〜パン屋さん編〜
昨日はLINEでオンライン面談を2件行ったのですが、1件目が事業再生で受講を考えられている方でした。
未経験者の方であれば誰でもウェルカムで、事業再生でもレベルが軽度、中度程度であれば誰でもOKにしているのですが、重度の事業再生の場合は話が変わってきます。
その詳細を確認する為にも面談が欠かせないのです。
話を伺った上で結論から言うと、「私と一緒に根本からやり直す覚悟がないと受講しても意味がない」でした。
なので、その旨を書いた提案書を作成したので、皆様の何かの参考になればと思い固有名詞は伏せたまま転載いたします。
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昨日はお疲れ様でした。
面談後に投稿されていたSNS、Googleマップ、その他ネットでの情報を拝見させて頂きました。
それらと昨日お話を伺った内容と照らし合わせて、恐らくこれが売上減少の要因であろうと思ったのが、
「パン屋かカフェかどちらも中途半端すぎてわからない」
これに尽きると思いました。
人はどこかのお店に行こうと思った時に、候補地がイメージ写真のように勝手に頭の中に瞬時に浮かびます。
パンが欲しいと思ったら自分が行ったことがあるお店の中かからパパパッとイメージ写真が浮かんでその中から選んで足を運びます。
パンに限らずカフェやカツ丼、うどん屋、ケーキ屋、ステーキ屋など、どんな飲食店でも過去自分が行ったことのある店の中から瞬時に候補地が浮かび、その店に行くのです。
◯◯さん自身も必ずそうな筈です。
なので、店側は様々な手段を用いてお客様の印象に残るような施策をとる必要があります。
その第一歩が「自分の店が何屋として認識してもらうかを明確に打ち出す」です。
お店をオープンさせたら最初の3ヶ月は新店特需で勝手に人が来ます。
その後人が来なくなるのは、お客様がリピーターになっていない証拠なのです。
通常は新規客を増やしながら、その2〜3割くらいをリピーターにしていって店を育てていきます。
でなければ新規を永遠に増やしていくしかなくなってしまいます。
リピーターにならない原因は、
・店に魅力がない
・お客様の印象に残っていない
・また行こうと思える何かがない
・他の同業他社に取られている
他にも、メニューに魅力がない、商品が高すぎる、接客が悪いなどいくつも上げることはできますが、◯◯さんのお店の場合はそれ以前の問題で
「パン屋と呼べるほどパン屋に特化していないので、パンを買いにこうと思った時に候補にすら上がってきてない」ような気がします。
◯◯さんが研修に行かれたパン屋がどのようなものだったかはわかりませんが、下の写真のような形態の所ではなかったですか?
これららは山口県の人気のパン屋の写真です。
恐らく多くの人がパン屋と聞いてイメージするのはこういったお店だと思います。
私もそうです。
新しいパン屋がオープンした!と聞いたらお客様はおそらくほとんどの人がこのような店内をイメージしていくと思います。
しかし、◯◯さんの店舗はショーケースにちょこっと並べられているだけでパン屋に来た!というように思えなかったという人が多いのだと思います。
google mapの書き込み
こう断言しているのも、◯◯さんのお店のGoogleマップの口コミと評価の異常な「少なさ」です。
オープンして1年間でGoogleの口コミと書き込みが10件というのは、書き込むことがそんなにも無い店舗なんだ、という評価を私はしてしまいます。
書き込み内容については今回は置いといて、それでも良し悪し書き込まれるということは、それだけお店に行った人が他の人に何かを伝えたい店だということに他なりません。
萩野菜ピクルスの場合、お客様の認識としては「野菜たっぷりのランチが食べれるお店」となっています。
(野菜たっぷりのランチプレート)
(腸活サラダボウル)
(野菜爆盛りサンドイッチ)
(肉よりサラダがメインのランチボックス)
(手作りサラダの製造シーンを頻繁にSNSに投稿する)
ピクルスでどうやって客を呼ぶか
なぜ、萩野菜ピクルスなのに「ピクルスのお店」として認識をさせてないかというと、ピクルスだけのお店だと認識させた場合の来店数の上限を知っているからです。
そもそも「ピクルス」をバクバク食べる食文化は日本にはなく、おかず需要としては弱いということは、移転前の3坪のピクルス専門店で実証済みだったのです。
この上限を打開したくて始めたのが「ピクルス入りのサンドイッチ」でした。
サンドイッチはピクルスに比べずっと日本人の食生活に馴染んでおり、食べたいと思う人の絶対数がピクルスより圧倒的に多いのです。
ピクルス入りサンドイッチを売り始めて1週間であっという間に行列ができる店舗に生まれ変わり、
私は「人は自分がイメージしやすいものや、イメージしたものとピッタリのお店には足を運びやすく記憶に定着しやすいが、そもそもの需要が少ないものにはそもそものファンしか来ない」
という持論をもつようになりました。
あなたのお店は何のお店?
なので、今の新しいお店では「ランチ」に人を呼びたかったので、ターゲットを女性に限定し「野菜が大量に食べれるランチのお店」として印象付けるようにしたのです。
そこから徐々に肉付けをし、元倉庫という広さを活かし、客席を大きく離してベビーカーが余裕で通れる作りにして、授乳室を設け、離乳食持ち込みOKと全面に打ち出し子持ちのお母さんも気軽に来れるお店という印象を与え続け、今では女性客が9割、その内3割がベビーカーの子連れのお母さんという山口県でも特殊なお店になっていったのです。
このように◯◯さんの店舗の場合は、「パン屋としてしっかり認識させる店舗作り」という根本的な問題を解決しない限りは、ピクルスアカデミーを受講して加工品を作ったところで付け焼き刃にもならず受講料の無駄になってしまう可能性が非常に高いのです。
なので、もし受講を望まれる場合、これらを改善されることを大前提としてご検討ください。
加工品を作れる技術さえ学べれば十分というのであれば、受講後のフォローはございませんが受講も可能でございます。
少々手厳しい提案書になってしまいましたが、事業を立て直すというのは生半可な気持ちでは出来ないことなので正直に書かせて頂きました。
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未経験者、事業再生者(中、軽度はOK)
というように「重度」の事業再生の場合、傷口を塞ぐ(経費削減、人員カット、メニュー削減など)、薬を投与(店舗コンセプトの見直し、新商品の開発など)を全部やらなければなりません。
これをやっても手遅れや、やったとしても私の力不足でどうにもならない場合もあります。
なのでこういった場合の受講希望者の方にはすぐに受講OKを出すわけにはいかないのです。
「未経験者の方は是非受講してください。」
こう言えるのは、ゼロからスタートなのでもし失敗しても軽傷なのでどうにでもできるからです。
中、軽度の事業再生の方も是非受講してください。」
こう言えるのは、何かテコ入れすればどうにかなる可能性が非常に高いからです。
ちょっとシビアな話になりましたが、明日は昨日のもう1件のハッピーな面談の様子をお届けいたしますので(笑)
事前面談なのに4時間近く話した…というか話を聞いていたと言う方が正しいのか…(笑)
それでは!
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